ブヨ(ブユ)・アブに刺されたらステロイド・かゆみ止め配合の市販薬を使用しましょう
ブヨ(ブユ)・アブは人の肌を刺すのではなく噛みちぎって血を吸うため、蚊などの虫刺されに比べて、強い痛みを生じます。大量に刺されたり症状が重症化していない限りは市販薬でのケアが可能です。
ブヨ・アブに刺されると赤みや腫れ、かゆみの症状が強くでる場合があります。赤み、腫れの症状が強く出た方は、ステロイド配合の塗り薬(ステロイド外用剤)がおすすめです。
また、かゆみが気になる場合は、ステロイドにくわえてかゆみ止め成分が配合された塗り薬を選びましょう。
市販薬で販売されているステロイドの強さは3ランク
ステロイドは薬の強さで5段階にランク分けされています。
市販のステロイドに配合される成分の強さは、ストロング・ミディアム・ウィークの3ランクで、ストロングが一番強くウィークが一番弱いです。
大人の場合はストロング・ミディアムランクを、子どもの場合はミディアム・ウィークランクのステロイドを使うとよいでしょう。
子どもにステロイドを使用する時の注意点
子どもにステロイドを使用するときは、薬の強さによって使用する部位を使い分けましょう。
子どもの皮膚は大人に比べて薬の吸収率が高く、特に顔や首は身体に比べて皮膚が薄く全身性副作用を起こすおそれがあるため、強いランクのステロイドを使用するときは注意が必要です。
ミディアムランクのステロイドを使用するときは、身体への使用にとどめ、顔・首などの皮膚の薄い部位への使用は避けた方がよいでしょう。ウィークランクのステロイドは、広範囲でなければ顔や目の周りにも使用できるものもあります。使用前に添付文書で確認してください。
なお、赤みや腫れ、かゆみなどの症状がひどい場合は、ステロイドの市販薬を使用する前に病院(皮膚科)を受診してください。
その他の虫刺されに効く市販薬の選び方
その他の虫刺されに効く市販薬に関しては次の記事で詳しく解説しています。
ブヨ(ブユ)・アブの虫刺されに効く子ども向けの市販薬|ステロイド配合の塗り薬・貼り薬
ブヨ(ブユ)・アブに刺されると赤みや腫れ、かゆみの症状が強くでる場合があります。
強い赤み、腫れがある場合にはステロイド配合の塗り薬(ステロイド外用剤)を、かゆみが気になる場合は、ステロイドにくわえてかゆみ止め成分が配合された塗り薬を選びましょう。
なお、ミディアムランクのステロイドを使用するときは、身体への使用にとどめ、顔・首などの皮膚の薄い部位への使用は避けた方がよいでしょう。
市販薬の添付文書に記載された日数を過ぎても症状がよくならない、または悪化するような場合は、市販薬の使用をやめ、病院(皮膚科)を受診するようにしましょう。
オイラックスPZリペアクリーム|ミディアムランクのステロイド配合
有効成分 | 剤形 |
---|---|
プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル グリチルレチン酸 クロタミトン アラントイン トコフェロール酢酸エステル イソプロピルメチルフェノール |
クリーム |
オイラックスPZリペアクリームは、ステロイドと抗炎症成分、かゆみ止め成分、殺菌成分、血行促進成分が配合された市販薬です。
ステロイドと抗炎症成分がブヨ・アブの虫刺されによる腫れ・赤みを、かゆみ止め成分がかゆみをおさえます。また、殺菌成分が患部を殺菌消毒し、血行促進成分が荒れた肌の回復を促します。
塗りやすいクリームタイプで、軟膏に比べて塗った後のべとつきが少ないという特徴があります。
オイラックスPZリペアクリームに配合されているプレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステルは、アンテドラッグ※のステロイド剤であり、ステロイド特有の副作用を比較的起こしにくい特性をもっています。
※アンテドラッグ:皮膚表面の患部で消炎効果を発揮したあと、体内に吸収されると活性が下がる性質の薬
■効能効果
しっしん、かぶれ、皮膚炎、じんましん、あせも、かゆみ、虫さされ |
■用法用量
1日数回、適量を患部に塗布してください |
液体ムヒS2a|ウィークランクの液体タイプ
有効成分 | 剤形 |
---|---|
デキサメタゾン酢酸エステル ジフェンヒドラミン塩酸塩 l−メントール dl-カンフル グリチルレチン酸 イソプロピルメチルフェノール |
液体 |
液体ムヒS2aは、ステロイドとかゆみ止め、清涼感をもたらす成分などが配合された市販薬です。
ステロイドがブヨ・アブの虫刺されによる腫れ・赤みを、かゆみ止め成分がかゆみをおさえます。また、殺菌成分が雑菌の繁殖をおさえて皮膚を清潔に保ちます。
スーッとした清涼感のある使い心地が特徴の液体タイプの塗り薬です。スポンジヘッド容器のため、手を汚さずに薬を塗ることができます。
■効能効果
かゆみ、虫さされ、皮ふ炎、かぶれ、じんましん、しっしん、しもやけ、あせも |
■用法用量
1日数回、適量を患部に塗布してください |
マキロンパッチエース|ウィークランクの貼るタイプ
有効成分 | 剤形 |
---|---|
デキサメタゾン酢酸エステル ジフェンヒドラミン イソプロピルメチルフェノール トコフェロール酢酸エステル(ビタミンE酢酸エステル) |
パッチ |
マキロンパッチエースは、ステロイドとかゆみ止め、殺菌成分などが配合された市販薬です。
ステロイドがブヨ・アブの虫刺されによる腫れ・赤みを、かゆみ止め成分がかゆみをおさえます。また、殺菌成分が患部を殺菌消毒し、血行促進成分が荒れた肌の回復を促します。
パッチタイプ(貼るタイプ)のため、かきむしったりして症状を悪化させやすいお子様におすすめです。
■効能効果
虫さされによるかゆみ |
■用法用量
1日1〜3回患部に貼ってください |
ロコイダン軟膏|ミディアムランクのステロイドのみ配合
有効成分 | 剤形 |
---|---|
ヒドロコルチゾン酪酸エステル | 軟膏 |
ロコイダン軟膏は、有効成分にステロイドのみが配合された市販薬です。
ステロイドがブヨ刺されによる赤み・腫れをおさえます。刺激の少ない軟膏タイプです。
■効能効果
湿疹、皮膚炎、かぶれ、かゆみ、虫さされ、じんましん、あせも |
■用法用量
1日数回、患部に適量を塗布してください |
ブヨ(ブユ)・アブの虫刺されに効く大人向けの市販薬|ステロイド配合の塗り薬
子どもと同じく大人の場合も、ブヨ(ブユ)・アブに刺されると赤みや腫れ、かゆみの症状が強くでる場合があります。
強い赤み、腫れがある場合にはステロイド配合の塗り薬(ステロイド外用剤)を、かゆみが気になる場合は、ステロイドにくわえてかゆみ止め成分が配合された塗り薬を選びましょう。
ステロイドを使用する際は、顔への広範囲の使用を避けましょう。また、市販薬の添付文書に記載された日数を過ぎても症状がよくならない、または悪化するような場合は、市販薬の使用をやめ、病院(皮膚科)を受診するようにしましょう。
オイラックスPZリペアクリーム|ミディアムランクのクリームタイプ
有効成分 | 剤形 |
---|---|
プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル グリチルレチン酸 クロタミトン アラントイン トコフェロール酢酸エステル イソプロピルメチルフェノール |
クリーム |
オイラックスPZリペアクリームは、ステロイドと抗炎症成分、かゆみ止め成分、殺菌成分、血行促進成分が配合された市販薬です。
ステロイドと抗炎症成分がブヨ・アブの虫刺されによる腫れ・赤みを、かゆみ止め成分がかゆみをおさえます。また、殺菌成分が患部を殺菌消毒し、血行促進成分が荒れた肌の回復を促します。
塗りやすいクリームタイプで、軟膏に比べて塗った後のべとつきが少ないという特徴があります。
オイラックスPZリペアクリームに配合されているプレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステルは、アンテドラッグ※のステロイド剤であり、ステロイド特有の副作用を比較的起こしにくい特性をもっています。
※アンテドラッグ:皮膚表面の患部で消炎効果を発揮したあと、体内に吸収されると活性が下がる性質の薬
■効能効果
しっしん、かぶれ、皮膚炎、じんましん、あせも、かゆみ、虫さされ |
■用法用量
1日数回、適量を患部に塗布してください |
液体ムヒアルファEX|ミディアムランクの液体タイプ
有効成分 | 剤形 |
---|---|
プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル ジフェンヒドラミン塩酸塩 l-メントール dl-カンフル イソプロピルメチルフェノール |
液体 |
液体ムヒアルファEXは、ステロイドとかゆみ止め成分、殺菌成分、清涼感をもたらす成分が配合された市販薬です。
ステロイドがブヨ・アブの虫刺されによる腫れ・赤みを、かゆみ止め成分がかゆみをおさえます。また、殺菌成分が患部を殺菌消毒します。
スーッとした清涼感のある使い心地が特徴の液体タイプの塗り薬です。スポンジヘッド容器のため、手を汚さずに薬を塗ることができます。
液体ムヒアルファEXに配合されているプレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステルは、アンテドラッグ※のステロイド剤であり、ステロイド特有の副作用を比較的起こしにくい特性をもっています。
※アンテドラッグ:皮膚表面の患部で消炎効果を発揮したあと、体内に吸収されると活性が下がる性質の薬
■効能効果
虫さされ、かゆみ、しっしん、皮ふ炎、かぶれ、じんましん、あせも |
■用法用量
1日数回、適量を患部に塗布してください |
リンデロンVs軟膏|ストロングランクの軟膏タイプ
有効成分 | 剤形 |
---|---|
ベタメタゾン吉草酸エステル | 軟膏 |
リンデロンVs軟膏は、有効成分にステロイドのみが配合された市販薬です。
ステロイドがブヨ・アブの虫刺されによる腫れ・赤みをおさえます。
クリームタイプに比べて刺激が少なく、皮膚の保護作用が高い軟膏タイプで、カサカサした患部にも、ジュクジュクした患部にも適してます。
リンデロンVs軟膏に配合されているステロイドは、市販のステロイドの中でも最も作用が強いストロングランクに分類されているステロイドです。
■効能効果
しっしん、皮ふ炎、あせも、かぶれ、かゆみ、しもやけ、虫さされ、じんましん |
■用法用量
1日1回〜数回 適量を患部に塗布してください |
フルコートf|ストロングランクの軟膏タイプ
有効成分 | 剤形 |
---|---|
フルオシノロンアセトニド フラジオマイシン硫酸塩 |
軟膏 |
フルコートfは、ステロイドと抗生物質が配合された市販薬です。
ステロイドがブヨ刺されによる赤み・腫れをおさえ、抗生物質が化膿した患部での細菌の増殖を防ぎます。
しみにくい軟膏タイプで、カサカサした患部にも、ジュクジュクした患部にも適してます。
フルコートfに配合されているステロイドは、市販のステロイドの中でも最も作用が強いストロングタイプに分類されているステロイドです。
■効能効果
◯化膿を伴う次の諸症:湿疹、皮膚炎、あせも、かぶれ、しもやけ、虫さされ、じんましん ◯化膿性皮膚疾患(とびひ、めんちょう、毛のう炎) |
■用法用量
1日1〜数回 適量を患部に塗布してください |
ブヨ(ブユ)・アブの虫刺されに効く市販薬|ステロイド無配合の塗り薬
ステロイド配合の市販薬の使用に抵抗がある方などは、ステロイド以外の抗炎症成分が配合された、ステロイド無配合の市販薬を選ぶとよいでしょう。
抗炎症成分がブヨ(ブユ)・アブの虫刺されによる赤み・腫れをおさえます。
デリナースクール|2種類のかゆみ止め成分配合
有効成分 | 剤形 |
---|---|
リドカイン ジフェンヒドラミン塩酸塩 イソプロピルメチルフェノール トコフェロール酢酸エステル l-メントール |
クリーム |
デリナースクールは、2種類のかゆみ止め成分と殺菌成分、血行促進成分、清涼感をもたらす成分が配合された市販薬です。
2種類のかゆみ止め成分が、ブヨ・アブの虫刺されによるかゆみをおさえます。また、殺菌成分が雑菌の繁殖をおさえ、血行促進成分が荒れた肌の修復をうながします。
クリームタイプの塗り薬で、スーッとした清涼感のある使い心地が特徴です。
■効能効果
かゆみ、かぶれ、あせも、ただれ、湿疹、皮ふ炎、じんましん、虫さされ、しもやけ |
■用法用量
1日数回、適量を患部に塗布してください |
ムヒS|炎症をおさえる成分配合
有効成分 | 剤形 |
---|---|
ジフェンヒドラミン グリチルレチン酸 l-メントール dl-カンフル イソプロピルメチルフェノール |
クリーム |
ムヒSは、かゆみ止め成分や抗炎症成分、殺菌成分などが配合された市販薬です。
かゆみ止め成分がブヨ・アブの虫刺されによるかゆみを、抗炎症成分が腫れ・赤みをおさえます。また、殺菌成分が雑菌の繁殖をおさえて皮膚を清潔に保ちます。
サラッとした使用感のクリームタイプです。スーッとする心地よい清涼感があるのも特徴の一つです。
■効能効果
かゆみ、虫さされ、かぶれ、しっしん、じんましん、あせも、しもやけ、皮ふ炎、ただれ |
■用法用量
1日数回、適量を患部に塗布してください |
新レスタミンコーワ軟膏|かゆみ止め成分のみ配合
有効成分 | 剤形 |
---|---|
ジフェンヒドラミン塩酸塩 | 乳剤性軟膏 |
新レスタミンコーワ軟膏は、かゆみ止め成分のみが配合された市販薬です。かゆみ止め成分がブヨ刺されによるかゆみをおさえます。
塗り広げやすい乳剤性軟膏タイプです。また、清涼感をもたらす成分が配合されていないため、スーッとするのが苦手な方におすすめです。
■効能効果
湿疹、皮膚炎、かゆみ、かぶれ、あせも、ただれ、しもやけ、虫さされ、じんましん |
■用法用量
1日数回患部に適量を塗布してください |
ブヨ(ブユ)・アブに刺されないための予防法
ブヨ(ブユ)やアブは山林や川沿いによく生息しています。これらの場所に行く場合は、ブヨやアブに刺されないように予防する工夫が必要です。
暗い色の服装を避ける
ブヨやアブは黒や紺などの暗い色を好みます。 アウトドアに行くときは、黄色やオレンジなど明るめの色の服装を心がけましょう。
肌を露出しない
肌を露出すると、露出された部分が虫に刺されやすくなってしまいます。夏場でもできるだけ長袖・長ズボンを着るようにして、肌を露出させないことが大切です。
また、帽子や手袋・厚手の靴下を履いたり、ズボンと靴の間にすき間をつくらないようにして、ブヨやアブの吸血や侵入を防ぐことも大切です。
虫除けスプレー
ブヨやアブによる虫刺されを予防するためには、市販の虫よけスプレーの使用もおすすめです。
ただし、虫よけスプレーの成分によっては小さなお子様に使えないこともあるので使用前に注意書きを確認してください。
そのほか、ブヨやアブはハッカのにおいを嫌うため、ハッカ油の虫除けスプレーも予防に役立ちます。天然成分のハッカ油は、赤ちゃんや子どもにも使用することができます。
ハッカ油を精製水や無水エタノールと混ぜてスプレーボトルに入れ、手作りの防虫スプレーをつくるのもよいでしょう。
ブヨ(ブユ)とアブの違いは?
ブヨ(ブユ)とアブはどちらも人間の皮膚を噛みちぎって吸血する生物ですが、見た目や症状の出方に少し違いがあります。
大きさ | 活動時期 | 症状の出方 | |
---|---|---|---|
ブヨ |
3〜5mm程度 |
3〜9月 |
・すぐに症状は出ない ・半日程度経ってから発疹が現れる ・徐々にかゆみ・痛みの症状が強くなっていく |
アブ |
10〜30mm |
7〜9月 |
・すぐに症状が出る ・強い痛みを感じる ・徐々に赤く腫れて強いかゆみも出てくる ・微熱が出る場合がある |
見た目や症状の出方は違いますが、対処方法はどちらも同じです。炎症が強く出やすい虫刺されとなるため、早めのケアを心がけましょう。
なお、アブはハチと姿が似ているため、刺されたときにどちらに刺されたのかわからないことがあります。
もし虫に刺された後に、息苦しさ・嘔吐・じんましん・血圧低下・意識の低下などの症状が複数同時、かつ急激に現れた場合は、ハチ刺されによるアナフィラキシーの疑いがあるため、速やかに病院を受診してください。
ブヨ(ブユ)・アブ刺されの処方薬と同じ成分の市販薬|ステロイド配合・無配合
ブヨ刺されや虫刺されに対して皮膚科で処方されるステロイド配合やステロイド無配合の薬(医療用医薬品)には、次のような種類があります。
いずれの薬も、患者の皮膚の状態や年齢をみながら医師が処方する薬であるため、大人用・子供用と明確に分けられているわけではありません。また、処方薬ごとに同じ有効成分が配合されている市販薬の有無をまとめました。
処方薬名 | ステロイドの 強さ・有無 |
有効成分名 | 市販薬 |
---|---|---|---|
マイザー | ベリーストロング | ジフルプレドナート | × |
アンテベート | ベリーストロング | ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル | × |
リンデロンVG | ストロング | ベタメタゾン吉草酸エステル ゲンタマイシン硫酸塩(ゲンタシン) |
× |
フルコートF | ストロング | フルオシノロンアセトニド フラジオマイシン硫酸塩 |
〇 |
リンデロンV | ストロング | ベタメタゾン吉草酸エステル | 〇 |
ロコイド | ミディアム | ヒドロコルチゾン酪酸エステル | 〇 |
リドメックス | ミディアム | プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル | 〇 |
プレドニゾロン | ウィーク | プレドニゾロン | 〇 |
レスタミン | ステロイド無配合 | ジフェンヒドラミン | 〇 |