頭重感とだるさの原因
頭が重い、頭が締め付けられるような感じがするなどの症状を頭重感といいます。頭重感だけでもつらい症状ですが、だるさも加わると症状の程度によっては生活に支障が出てしまうこともあります。
頭重感とだるさの原因としては、人によりさまざまですが、一例として次のようなものがあげられます。
首や肩の凝り
首や肩の筋肉の緊張や凝りによって頭重感が引き起こされることがあります。首や肩の凝りが起こる原因は、長時間の運転やデスクワークなどの物理的要因と緊張やストレスなどの精神的要因があげられます。
首や肩の凝りが強くなると、首筋や後頭部、頭の筋肉も緊張して血流が悪くなるため、頭重感を生じやすくなります。
目の疲れ
目の疲れがたまると、頭重感や目の痛み、目の渇きが現れることがあります。症状が悪化するとめまいや肩こりの原因にもなります。
自律神経の乱れ
自律神経は全身の器官をコントロールしているため、バランスが乱れると体や心にさまざまな症状が現れます。
人により症状は異なりますが、主な症状としては、めまい・頭重感・慢性的な疲労・不眠・耳鳴りなどの身体的な症状と、イライラ・不安感・焦燥感・落ち込みなどの精神的症状があげられます。
睡眠不足
睡眠は体の疲労を回復させるためにも重要です。
睡眠不足になると体の疲労が回復できないとともに、自律神経の乱れなどの原因にもなります。
疲労や自律神経の乱れは、だるさ(倦怠感)や頭重感の原因となるため、日頃から十分な睡眠を取ることを心がけることが大切です。
頭重感とだるさが出る病気
頭が重い・だるいなどの症状を感じていても、特に原因が思い浮かばない場合は、何らかの病気(疾患)の発症が原因となっている可能性があります。
頭が重い・だるいなどの症状が出る病気(疾患)はさまざまあり、一例は以下の通りです。ただし実際の診断は医師が行うため、何か気になる症状がある場合は早めに病院(脳神経外科や耳鼻咽喉科など)を受診しましょう。
緊張型頭痛
緊張型頭痛は、長時間のデスクワークによる肩や首の凝り、精神的なストレスなどによって首から頭にかけての血行が悪くなり、引き起こされる頭痛です。
主な症状としては、後頭部から首筋にかけての圧迫感や頭重感、首や肩の凝り、目の疲れ、めまい、だるさなどがあげられます。
うつ病
うつ病は、ストレスや遺伝的な要因などさまざまな原因によって、心身の症状があらわれる病気(疾患)のことを指します。
うつ病を発症すると、やる気がなくなる、気分が晴れないなどのこころの症状があらわれたり、食欲がない、頭が重いなどの体の症状があらわれたりする場合があります。
脳卒中
脳卒中とは、脳の血管が詰まる・破れるなどして、脳が障害を受ける病気(疾患)のことを指します。脳梗塞、脳出血、くも膜下出血なども脳卒中に含まれます。
主な症状としては、激しい頭痛や頭重感、めまい、ろれつが回らない、手足や顔面の麻痺、物が2つに見える、意識障害などがあげられます。
脳卒中は、何の前触れもなく突然症状が現れるのが特徴です。
脳腫瘍
脳腫瘍は、頭蓋骨の中にできる腫瘍のことで、脳を包んでいる膜や血管に発生するものも含まれます。
脳腫瘍のできる場所により症状は異なりますが、主な症状としては、頭痛、吐き気や嘔吐、めまい、手足や顔面のしびれ・麻痺、眠気、言語障害(失語症や構音障害など)、けいれん発作などがあげられます。
副鼻腔炎
副鼻腔炎は、鼻の周辺にある空洞(副鼻腔)に細菌やウイルスが感染することによって炎症が起こる病気(疾患)です。
主な症状としては、鼻づまりや鼻水、頭痛、頭重感、歯の痛み、頬や額など鼻の周囲の痛み、発熱などがあげられます。症状が悪化すると、鼻水がドロドロとした膿状のものに変わり、慢性化することもあります。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が数秒から数分間止まる・気道の空気の流れが弱まるなどの症状が出る病気(疾患)です。睡眠時無呼吸症候群になると、低酸素状態に陥り眠りが浅くなるため、十分な睡眠がとれず日中に眠くなることが増えます。
主な症状としては、日中の激しい眠気、全身のだるさ(倦怠感)、頭痛や頭重感、大きないびきなどがあげられます。
花粉症
花粉症は、植物の花粉が目や鼻、喉の粘膜に付くことによって引き起こされるアレルギー症状を起こす病気(疾患)です。
主な症状としては、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、頭痛や頭重感、倦怠感、目のかゆみや充血、発熱などがあげられます。
花粉症に効く市販薬については、以下の記事で詳しく解説しています。
頭が重くてだるいときの解消法
頭が重い・だるいといった症状に思い当たる原因があり、症状が軽い場合には市販薬を試してみてもよいでしょう。
ただし、思い当たる原因がない場合や症状が重くてつらいときは、適切な治療を行うためにもなるべく早めに病院を受診してください。
市販薬の選び方
頭が重い・だるいといった時に使える市販薬は、それぞれ原因別に選びます。
頭が重い・だるい時に使える市販薬|首や肩の凝りがある場合
首や肩の凝りに効く市販薬には、飲み薬・貼り薬(湿布)・塗り薬があります。
それぞれの薬の特徴は以下の通りで、使用するシーンや痛みのある場所、お好みによっていずれかご自身の使いやすい薬をお選びいただけます。
飲み薬 |
・筋弛緩剤、ビタミン剤、鎮痛薬などがあり、症状に合わせて選べる ・飲むだけで済むため、人目を気にせず使える ・湿布や塗り薬が苦手な方に |
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湿布 |
・患部に密着することで効果を発揮 ・比較的薄く、粘着力が強くはがれにくいテープ剤と、水分を含み皮膚への刺激が少ないパップ剤に分けられる ・飲み薬は胃への負担があるなどの理由で苦手な方に |
塗り薬 |
・持ち運びに便利で、細かい部分や広範囲に使える ・いろいろな剤形があり、好みに合わせて選べる ・湿布は一人で貼りにくい、かぶれやすいなどの理由により苦手な方に |
■飲み薬
ロキソニンSの有効成分はロキソプロフェンナトリウム水和物のみで、胃への負担が少ないプロドラッグ製剤です。眠くなる成分は含まれていません。
同じ解熱鎮痛成分が含まれている内服薬や貼り薬との併用は避けてください。
アリナエコーEX2は、抗疲労成分「フルスルチアミン」などの6つの有効成分が配合された内服薬(ビタミン剤)で、「肩こり」「腰の痛み」「目の疲れ」などの症状に効果をあらわします。
また、パントテン酸カルシウムは補酵素(コエンザイムA)となってエネルギーの産生に重要な働きをし、ビタミンEは体のすみずみの血行を促進します。パウチタイプでかさばらないのも特徴です。
■湿布
フェイタス5.0にはフェルビナクの他に、l-メントールやトコフェロール酢酸エステル(ビタミンE)が含まれているため、さわやかな清涼感を与えるだけでなく、患部の血行を促進します。
微香性で湿布特有のにおいも少なく、貼ったまま外出する場合にもおすすめです。1日2回まで使えるため、朝と晩を目安に貼り替えることもできます。
■塗り薬
塗るズッキノンは肩などのこりを改善することで頭痛を和らげる塗り薬です。頭痛を感じた時に、肩から首すじ、耳の裏にかけ筋肉に沿ってすりこむように塗ると効果を発揮します。
サリチル酸メチルが肩の痛みや頭痛を緩和し、l-メントールとユーカリ油が血行を促進しながら筋肉の緊張を和らげます。スーっとした使い心地です。
その他の市販薬については、以下の記事で解説しています。
頭が重い・だるい時に使える市販薬|目の疲れがある場合
目の疲れや痛みが長期間続くと頭痛や肩こりなど体にも不調が現れるケースがあります。
体にも不調が現れるような目の疲れは、放置していると悪化していくことがあるため、早めの対処が重要となります。
市販の目薬は商品によってさまざまな成分が配合されておりますが、主に目の疲れに効く目薬を紹介します。
サンテPC|ブルーライト等による光ダメージをケア
成分 |
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ビタミンB12(シアノコバラミン) コンドロイチン硫酸エステルナトリウム ビタミンB6(ピリドキシン塩酸塩) ネオスチグミンメチル硫酸塩 タウリン グリチルリチン酸二カリウム クロルフェニラミンマレイン酸塩 塩酸テトラヒドロゾリン |
パソコンやスマートフォンの画面から出るブルーライトは、長時間浴びることで目に負担がかかってしまいます。サンテPCはブルーライトなどによる目の疲れや炎症をケアすることに注力したスッキリとしたさし心地の目薬です。
サンテPCには目の疲れに効果があるビタミンB12の他、角膜を保護するコンドロイチン硫酸エステルナトリウム、ダメージを受けた目の組織代謝を活発にするビタミンB6などが配合されています。血管収縮剤の塩酸テトラヒドロゾリンが配合されているため、充血が気になる方にもおすすめです。
パソコンやスマートフォンなどを使い続けることにより目の疲れを感じ始めている方におすすめです。
その他の目の疲れに使える目薬については、こちらの記事をご参考にしてください。
頭が重い・だるい時に使える市販薬|自律神経の乱れの場合
不規則な生活やストレスによって自律神経の働きが乱れると、体の器官にさまざまな不調があらわれます。
人により症状は異なりますが、主な症状としては、めまい・頭重感・慢性的な疲労・不眠・耳鳴りなどの身体的な症状と、イライラ・不安感・焦燥感・落ち込みなどの精神的症状があげられます。
命の母A|女性のホルモンバランス・自律神経の不調による諸症状に
効能・効果 |
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更年期障害、更年期神経症、血の道症(※1)、のぼせ、生理不順、生理異常、生理痛、肩こり、冷え症、肌荒れ、めまい、耳鳴り、動悸、貧血、にきび、便秘、ヒステリー、帯下(※2)、産前産後、下腹腰痛、血圧異常、頭痛、頭重 |
命の母Aは、女性に現れる諸症状の緩和と健康増進のために作られた薬です。
13種類の生薬とビタミン類、カルシウムなどが血行を促進し体を温めることで、女性ホルモンと自律神経のアンバランスから起こるさまざまな身体の不調を改善します。
女性保健薬となっていますが、効能・効果の範囲内の症状であれば男性でも服用できます。
(※1)血の道症とは、月経、妊娠、出産、産後、更年期等女性のホルモンの変動にともなってあらわれる精神不安やいらだち等の精神神経症状および身体症状のことをいいます。
(※2)帯下とは、おりもののことです。こしけ、もしくは、たいげ、と読みます。
ルビーナめぐり|体力がなく、生理機能が衰え、抵抗力も低下している方に
効能 |
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体力虚弱で胃腸が弱く、冷え症で貧血の傾向があり、疲労しやすく、ときに下腹部痛、頭重、めまい、肩こり、耳鳴り、動悸などを訴えるものの次の諸症: むくみ、月経痛、頭重、足腰の冷え症、月経不順、月経異常、産前産後あるいは流産による障害(貧血、疲労倦怠、めまい、むくみ)、更年期障害、 めまい・立ちくらみ、肩こり、腰痛、しみ、耳鳴り、しもやけ |
ルビーナめぐりは、体力虚弱で胃腸が弱く、冷え症で貧血の傾向があり、疲労しやすい方に適しています。
血や水のめぐりを良くしていくことで体全体のバランスを整え不調を改善する当帰芍薬散に、弱った胃腸の働きを活発にすることで体を温める人参を加えた漢方処方の薬です。
効能の範囲内の症状であれば、男性でも服用いただけます。ただし、効能の中の更年期障害には男性の更年期障害は当てはまりません。
ツムラ漢方桂枝茯苓丸料エキス顆粒A|比較的体力のある方に
効能・効果 |
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比較的体力があり、ときに下腹部痛、肩こり、頭重、めまい、のぼせて足冷えなどを訴えるものの次の諸症: 月経不順、月経異常、月経痛、更年期障害、血の道症、肩こり、めまい、頭重、打ち身(打撲症)、しもやけ、しみ、湿疹・皮膚炎、にきび |
桂枝茯苓丸は、比較的体力があり、赤ら顔、のぼせやすいのに足が冷え、下腹部が張る感じがする方に向いている薬です。
5種類の生薬が血行を促進して熱のバランスを整えることで、のぼせや冷えを改善します。頭重やめまいだけでなく、生理痛・生理不順や皮膚炎にも使うことができます。
効能・効果に記載されている症状があてはまれば、男性も服用いただけます。
使用上の注意|治らない場合は病院へ
頭の重さやだるさと共に、何もやる気が起きないなどといった精神症状がある場合にはうつ病などの病気が原因となっていることもあり、人によって原因は様々です。
頭重感やだるさに思い当たる原因がない場合や、症状が急激に悪化した場合もなるべく早めに医師にご相談ください。
また、市販薬を使用する際は、薬の説明書(添付文書)に記載された使用期間や用法・用量を守り、症状がよくならない場合や他にも気になる症状がある場合には早めに医療機関(脳神経外科や耳鼻咽喉科など)を受診しましょう。