カロナールとは
カロナールとは『アセトアミノフェン』を成分とする解熱鎮痛剤です。
カロナールは、錠剤だけでもカロナール錠200/カロナール錠300/カロナール錠500と3つの種類があり、アセトアミノフェンの含有量に違いがあります。剤形は錠剤の他にも、坐薬や粉薬、シロップなど多くの種類があります。
また、赤ちゃんや授乳中のお母さんでも使用できる成分ということもあり幅広く使用されています。
カロナールの効能・効果
カロナールの効能・効果について、薬の説明書にあたる添付文書には以下のとおり記載されています。
1.各種疾患及び症状における鎮痛
2.下記疾患の解熱・鎮痛
急性上気道炎(急性気管支炎を伴う急性上気道炎を含む)3.小児科領域における解熱・鎮痛
カロナールは、頭痛をはじめとした様々な痛みに対して使用できます。また、いわゆる風邪の急性上気道炎に対しては、熱を下げるためにも使用されます。
カロナール(アセトアミノフェン)は頭痛や熱に対して7割以上の人に有効
では、実際カロナールは頭痛や熱に対してどの程度有効なのでしょうか。
カロナールのインタビューフォームを見ると、実際の患者に投与した試験(臨床試験)を実施した時の結果が記載されています。
結果は、感冒による発熱、頭痛など痛みに対しては75.0%が有効、熱に対しては66.7%で有効であったとされています。
子どもにはカロナール(アセトアミノフェン)が使用されることが多い
カロナールの特徴の一つは小児科領域でも比較的安全に使用できる点です。
カロナールはインフルエンザの時に使ってもインフルエンザ脳症という脳の病気が起こる危険が少なく、幼い子どもでも使用できる比較的安全な薬といえます。
そのため、お子様の解熱剤にはカロナールが使用されることが多いです。
カロナールの用法・用量
カロナールの用法・用量は、症状や服用する方の年齢などによって異なります。
カロナールの添付文書には以下のように記載されています。
●頭痛や月経痛などの痛みの場合
通常,成人にはアセトアミノフェンとして,1回300~1000mgを経口投与し,投与間隔は4~6時間以上とする。なお,年齢,症状により適宜増減するが,1日総量として4000mgを限度とする。また,空腹時の投与は避けさせることが望ましい。
●風邪の解熱や痛みの場合
通常,成人にはアセトアミノフェンとして,1回300~500mgを頓用する。なお,年齢,症状により適宜増減する。ただし,原則として1日2回までとし,1日最大1500mgを限度とする。また,空腹時の投与は避けさせることが望ましい。
●お子様の解熱や痛みの場合
通常,幼児及び小児にはアセトアミノフェンとして,体重1kgあたり1回10~15mgを経口投与し,投与間隔は4~6時間以上とする。なお,年齢,症状により適宜増減するが,1日総量として60mg/kgを限度とする。ただし,成人の用量を超えない。また,空腹時の投与は避けさせることが望ましい。
アセトアミノフェンとはカロナールの成分のことです。
カロナール200・カロナール300・カロナール500で使用できる錠数のまとめ
添付文書に記載されているカロナールの最大で使用できる錠数については以下の通りです。
ただし年齢や体質、症状によって用法用量は異なるため、実際に使用する量については、処方医の先生の指示に従いましょう。
以下に記載されている錠数内であっても、自己判断で1回量や1日量を増量すると、思わぬ副作用を引き起こすおそれがあります。
指示された用法用量どおりに服用しても効果を感じられない場合は、自己判断で増量せず、必ず処方医に相談しましょう。
頭痛などの痛み | 風邪の解熱・痛み | |||
---|---|---|---|---|
1回の最大 | 1日の最大 | 1回の最大 | 1日の最大 | |
カロナール200 | 5錠 | 20錠 | 2錠 | 7錠 |
カロナール300 | 3錠 | 13錠 | 1錠 | 5錠 |
カロナール500 | 2錠 | 8錠 | 1錠 | 3錠 |
カロナール(アセトアミノフェン)が頭痛や熱に効果をもたらす仕組み
カロナールが頭痛や熱に効果をもたらすメカニズムは、まだわかっていない部分もあります。
頭痛や熱によく使われるロキソニンなどのいわゆるNSAIDs(エヌセイズ:非ステロイド性抗炎症薬)というグループに分類される解熱鎮痛薬などは、シクロオキシゲナーゼという酵素を阻害し、痛みや熱の原因となるプロスタグランジンという物質が増えることをおさえることによって痛みや熱に効果があります。
カロナールもシクロオキシゲナーゼという酵素を阻害しますが、作用のメカニズムは異なっており、脳の中枢などに作用することによって効果を発揮しているといわれています。
しかし、詳細な作用については明らかになっていません。そのため、 NSAIDs(エヌセイズ:非ステロイド性抗炎症薬)というグループには分類されていません。
メカニズムの違いからカロナールは他の解熱鎮痛剤が持っている抗炎症作用がほとんど期待できないという面もありますが、胃腸障害などの副作用が出にくいというメリットもあります。
カロナールとロキソニンは同程度の効果が得られる?
カロナールの効果の強さを他の解熱鎮痛剤と比較している文献はいくつかありますが、ロキソニンとの比較をまとめたものによると、骨削除が必要となる程度の横向きに埋もれて生えている親知らず抜歯後の鎮痛効果をアセトアミノフェン(カロナールの成分)1000mgとロキソプロフェン(ロキソニンの成分)60mgとで比較した結果、カロナールの成分はロキソニンの成分に匹敵する効果があるという報告もあります。
医療用医薬品と市販薬では使える用量が違うため少し条件が異なってはいますが、場合によってはカロナールの成分も用量を増やせばロキソニンと遜色ない鎮痛効果を得られる可能性もあると解釈できそうです。
同じ文献によると、日本ではもともと使われる用量が少なかったために十分な鎮痛効果が得られていなかったのですが、適切な用量で使用すればカロナールの成分でも十分な効果が期待できると考察されています。
結論として、効果の強さはロキソニンが勝るものの、適切な用量で使えばカロナールでも十分な効果は期待してよいでしょう。
カロナールの市販薬とロキソニンの市販薬
カロナールの市販薬
カロナールという名称の市販薬は存在しませんが、カロナールと同じく有効成分がアセトアミノフェンの市販薬は販売されています。ただし、アセトアミノフェンを含む市販薬は、アセトアミノフェンのみを含む薬と、アセトアミノフェン以外の成分も含む薬があります。
また、薬によってアセトアミノフェンの含有量や対象年齢が異なりますが、アセトアミノフェンのみを含む市販薬の例は以下の通りです。
市販薬の例 | アセトアミノフェン含有量 (1錠中) |
対象年齢 |
---|---|---|
タイレノールA | 300mg | 15歳以上 |
ラックル | 300mg | 15歳以上 |
ノーシン アセトアミノフェン錠 |
150mg | 7歳以上 |
アセトアミノフェンK錠 | 100mg | 5歳以上 |
バファリンルナJ | 100mg | 7歳以上 |
小児用バファリンCⅡ | 33mg | 3~14歳 |
小児用バファリン チュアブル |
50mg | 3~14歳 |
ラックル|1錠にアセトアミノフェン300mg
ラックル 12錠(第2類医薬品)【第二類医薬品】
ラックルは、1錠(1回量)中にアセトアミノフェンを300mg含む市販薬です。
パッケージは腰痛に関しての情報が多いですが、発熱や頭痛など、解熱鎮痛薬として使用できます。
タイレノールA|1錠にアセトアミノフェン300mg
タイレノールA 10錠
アセトアミノフェンのみを含む市販薬であるタイレノールAは1錠(1回量)中にアセトアミノフェンが300mg含まれています。
ノーシンアセトアミノフェン錠|7歳から服用できる
ノーシンアセトアミノフェン錠 <24錠>【第二類医薬品】
ノーシンアセトアミノフェン錠は7歳から大人まで家族で服用できる解熱鎮痛薬です。小粒でのみやすい錠剤が、発熱・頭痛に効果を発揮します。
アセトアミノフェンK錠|5歳から服用できる
アセトアミノフェンK錠 36錠【第二類医薬品】
アセトアミノフェンK錠は5歳から大人まで家族で服用できる解熱鎮痛薬です。1錠あたりにアセトアミノフェンが100mg含まれており、年齢に応じて用量を調整することができます。
バファリンルナJ|小中学生から使えるチュアブル錠
バファリンルナJ【第二類医薬品】
バファリンルナJは7歳から大人まで服用できるチュアブルタイプの解熱鎮痛薬です。フルーツ味で、水なしで飲むことができます。
小児用バファリンチュアブル|3歳から14歳まで使えるチュアブル錠
小児用バファリンチュアブル 12錠(第2類医薬品)【第二類医薬品】
小児用バファリンチュアブルは3歳から14歳まで服用できるチュアブルタイプの解熱鎮痛薬です。水なしで飲める、オレンジ味の小粒の錠剤です。
その他のアセトアミノフェンを含む市販薬について、詳しくは次の記事で解説しています。
ロキソニンの市販薬
処方薬のロキソニンと同じ『ロキソプロフェンナトリウム水和物』を含む市販薬は、錠剤だけでなく、液剤、ゲル、パップ、テープ、ローションなど様々な種類が販売されています。『ロキソプロフェンナトリウム水和物』を含む市販の飲み薬のひとつにロキソニンSがあります。ロキソニンSシリーズの飲み薬は、ロキソニンS・ロキソニンSプラス・ロキソニンSプレミアム・ロキソニンSプレミアムファイン・ロキソニンSクイックの5種類があります。
成人(15歳以上)の1回の服用量に含まれるロキソプロフェンナトリウム水和物の量はいずれも同じ68.1mgですが、それぞれ以下のような特徴があります。
成分 | 有効成分 | 特徴 |
---|---|---|
ロキソニンS |
・ロキソプロフェンナトリウム水和物 |
・シンプル処方で使いやすい ・眠くなる成分を含まない |
ロキソニンS プラス |
・ロキソプロフェンナトリウム水和物 ・酸化マグネシウム |
・胃を守る成分配合 ・眠くなる成分を含まない |
ロキソニンS プレミアム |
・ロキソプロフェンナトリウム水和物 ・メタケイ酸アルミン酸マグネシウム ・アリルイソプロピルアセチル尿素 ・無水カフェイン |
・鎮痛成分のほか鎮静成分、鎮痛補助成分配合 ・胃を守る成分配合 ・眠気があらわれることがあるため、服用後に車の運転等はできない |
ロキソニンS クイック |
・ロキソプロフェンナトリウム水和物 ・メタケイ酸アルミン酸マグネシウム |
・服用後、すばやく溶ける ・胃を守る成分配合 ・眠くなる成分を含まない |
ロキソニンS プレミアムファイン |
・ロキソプロフェンナトリウム水和物 ・シャクヤク乾燥エキス ・ヘスペリジン ・メタケイ酸アルミン酸マグネシウム |
・生理痛のメカニズムに着目した成分配合 ・胃を守る成分配合 ・眠くなる成分を含まない |
ロキソニンS
ロキソニンS 12錠【第一類医薬品】
ロキソニンSシリーズのなかでもロキソニンSは、有効成分が『ロキソプロフェンナトリウム水和物』のみの市販薬です。
小型の錠剤タイプのため飲みやすいです。
市販されているロキソニンSシリーズの詳しい違いについて、詳しくは次の記事で解説しています。
ロキソニンSとロキソニンの違い
市販薬のロキソニンSと処方薬ロキソニンのはっきりとした違いは、1日の最大服用量です。また、剤形の種類にも違いがあり、処方薬は錠剤・細粒・ゲル・テープ・パップといった剤形がありますが、市販薬には錠剤・ローション・ゲル・テープ・パップがあります。
処方薬のロキソニンは年齢、症状に合わせて医師が服用量を調整します。一方市販薬のロキソニンSは誰でも比較的安全に服用できるようにという考慮がなされているため、処方薬と異なり1日の最大使用量が決まっています。
カロナールとロキソニンの効果時間・効くまでの時間の違いは?
カロナールとロキソニンの添付文書によると、どちらも半数以上の方は服用後30分程度で効果が出てくるというデータがあります。
薬が血液とともに全身へ運ばれる時、血液に溶けている薬の濃度を血中濃度といいます。薬の効き目は、血中濃度がある一定以上になってから現れ始めます。
実際に効果を実感する時間には個人差がありますが、データによると、血中濃度が最高値に達するまでの時間と半減するまでの時間については以下の通りです。
血中濃度が最高値に達するまでの時間 | 血中濃度が半減するまでの時間 | |
---|---|---|
カロナール |
0.46時間(約28分) |
2.36時間(約142分) |
ロキソニン | 0.79時間(約47分) | 1.31時間(約79分) |
ロキソニンの効果や効果時間については、詳しくはこちらの記事でも解説しています。
新型コロナウイルスに感染した疑いがあるときの対処法
発熱や咳などの症状があらわれた場合、まずは抗原定性検査キットでセルフチェックをしましょう。
抗原定性検査キットは、国が承認した医薬品の抗原定性検査キットを使用してください。
国が承認した医薬品の抗原定性検査キットには、「体外診断用医薬品」もしくは「第1類医薬品」と明記されています。
新型コロナウイルスの抗原定性検査キット|第1類医薬品
ミナカラでは、以下の医薬品の抗原定性検査キット(第1類医薬品)を取り扱っています。
新型コロナウイルス一般用抗原定性検査キット クリニテストCOVID-19抗原迅速テスト 5回用【第一類医薬品】
内容物 |
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滅菌綿棒×5 測定カセット×5 抽出チューブ用キャップ×5 緩衝液入り抽出チューブ×5 |
一般用SARSコロナウイルス抗原キット クリニテストCOVID-19抗原迅速テストは、鼻腔ぬぐい液を用いて新型コロナウイルス抗原を検出する定性検査キットです。自宅で検査でき、15分で判定結果がわかります。
クリニテストCOVID-19抗原迅速テスト(一般用)は、一般用医薬品として厚生労働省に承認されています。
抗原定性検査の使い方や結果(判定)の見方、陽性時の対応は、以下の記事で紹介しています。